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H-IIA 38号機 打ち上げ見学旅行記(2)


 ロケットの打ち上げを見るために種子島に行った話。 前回はコチラ



H-IIA 38号機 打ち上げ見学旅行記(2)



 前回は旅行出発までの流れを紹介してきたので、今回は種子島までの道のりと島での出来事などを見ていきましょう。出発時、打ち上げ予定日は25日。天候が悪そうだが、はたして…?



1日目(2月23日)天候:晴れ



 念願の種子島への旅行。5泊6日(予定)という過去最長の旅の始まりだ。

 新潟から鹿児島まで行くため、まずは新潟空港から飛行機で福岡空港へ向かう。個人旅行では初めての空の旅。

 11:00 新潟駅南口から大型バスに乗り新潟空港へ。25分ほどで到着。運賃は片道400円だったかな(SUICA可)。
 新潟空港ターミナルビル一階の国内線チェックインカウンターにある航空会社(FDA)の機械に予約番号などを打ち込み、搭乗券を発行。その際スーツケースを預ける。モバイルバッテリーは手荷物の方に入れるように言われたので、あらかじめ取りやすい位置にしまっておいたモバイルバッテリーを手荷物の方に移す。

 2階に進み手荷物検査を行った後、出発ラウンジで一休み。空港入口に「Peach」の看板があったが、どうやら新潟空港Peach関空線が就航するらしい。

 今回使用するのはFDAフジドリームエアラインズ)とJALコードシェア便。機体はFDA所有のリージョナルジェットらしい。ラウンジでサンドイッチを食べていると滑走路に真っ赤な飛行機が降り立った。機体には「FDA」と書かれている。あれに乗るっぽい。

 ERJ170に搭乗。離陸すると新潟の街並みが見渡せるようになった。信濃川河口上空から新潟市街中心部の写真を撮る。この光景が見られるなら、飛行機旅行も悪くないと思った。


 フライト時間はおよそ2時間。福岡空港で預け荷物を回収した後、博多駅へ移動。地下鉄でもSUICAが使えた。
 博多駅から在来線で久留米駅に行き、以前から気になっていた「軍艦千歳」の慰霊碑を訪れた。

 千歳は艦これで最初にケッコンカッコカリした馴染み深い艦なので一度来ておきたかった。久留米駅から徒歩10分、水天宮の境内にある。千歳が沈んだレイテ沖海戦(エンガノ岬沖海戦)のイベントが艦これで行われている時期に此処へ来れたのはなんとも不思議な気分でした。

 神社でH-IIAの打ち上げ成功を祈願し久留米駅に戻ると、Twitterで打ち上げ日の延期の話題が流れてきた。打ち上げ二日前に決定される打ち上げ日と時刻(時間帯)が発表され、やはりというか、打ち上げ日は当初予定の1日遅れの2月2613時34分~となった。1日延期になったのは「当日の天候悪化が予想される」ため。雷と強風の心配もあるし、雨の日の打ち上げはやっぱり無理だよね…。でもまあ天候的に27日に延期かなと思っていたので良しとする。

 久留米駅から新幹線で鹿児島中央駅に移動し、鹿児島市内のビジネスホテルで一泊。
 明日はいよいよ種子島に渡る。



2日目(2月24日)天候:晴れ



 10:20発の高速船(ジェットフォイル)に乗るため、9:30ごろに種子・屋久高速旅客ターミナルに来た。鹿児島中央駅からは市電と徒歩で。
 入って左側に窓口があったので、列に並ぶ。予約番号案内メールに書かれている予約番号を伝え、学割証を渡す。復路の分も含めて2枚渡したため、手持ちの学割証がなくなってしまった。帰りの新幹線で学割を使おうと思っていたのに… 往路の席を決めて、搭乗券をもらう。一階席と二階席があったので、なんとなく二階にした。

※出港1時間前から窓口で搭乗手続きが開始されます。出港時刻の20分前までに搭乗の手続きをしましょう。
 
 レンタカー会社に予定通り島に到着することを電話しておく。これで準備万端だ。出発10分前の10:10から搭乗開始。今回乗る船の名前は「トッピー2」
 シートベルト付きの座席に座るのは水中翼船(ボーイング929)ならではだなぁと思った。昔修学旅行で佐渡から帰る際に搭乗したはずだが、ほとんど覚えていない。
 出発から1時間半ほどで種子島に到着。船から降りて少し歩くと…なるほどレンタカーの看板・立札を持った方が何人もたっている。予約したレンタカー会社の札を持った方と会い、港から徒歩2分の駐車場まで移動。書類に連絡先(携帯の電話番号)と免許証番号を書いて、料金を支払う(前払い)。レンタカーに関する説明を受けたのち、車の鍵を受け取る。
 とりあえず、港の周りを歩いてみるか。気温は穏やかで全く寒くない。4月の佐渡ヶ島かここは

 
しかし、この光景を見て、種子島に来たことを実感した。

 Twitterで見たことのある、種子島に渡った宇宙ファンたちが撮った写真と同じではないか!

 ロケット打ち上げの告知も生で見るのは初めて。ついにきてしまったー!種子島

 港近くの土産屋に入って帰りに買う土産物を考え、気になっていた「安納芋(あんのういも)」の干し芋を購入。甘さ控えめだけどおいしい。あとは船の乗り場で島内の地図をゲットした。
 時間帯的にお昼なので近くのラーメン屋「濱商」みそラーメンを注文。美味しかった。店内には最近のロケットの打ち上げポスターが貼ってありました。

 みちびき3号機、同4号機、つばめ。今後はこうのとり7号機やいぶき2号のポスターになったりするのかな。

 さて今日は無情にも天気が良いので、打ち上げ見学場所の下見として、恵美之江(えびのえ)展望公園」に向かう。レンタカー会社の方曰く「ここが一番良い」とのこと。駐車場が狭いから打ち上げ見学は厳しいかなと思った場所だけど・・・とりあえず行ってみる。

マイナビニュース: 恵美之江展望公園をチェック

 ちなみに借りた車にはカーナビがついていたが、ナビには使い慣れていたスマホのグーグルマップアプリを使用した。位置情報(GPS)を使用するためバッテリーの消費が心配になったので、西之表市にあるヤマダ電機に立ち寄り、スマホの車載充電器を購入。これでスマホの充電ができるようになった。

 準備を整え、いざ出発!国道58号をひたすら南へ。のんびり走る軽トラや3台一気に追い越す大型トラックなどに遭遇しながらアップダウンのある道を走ること20分。砂浜が見えたので休憩ついでに立ち寄る。この時点で16時を過ぎていた。綺麗な砂浜の写真をTwitterに上げていたらTLに不穏な空気が漂っている。なんと打ち上げの再延期のニュースが流れていました。ありゃー!新たな打ち上げ日は当初の二日遅れとなる27日

 「打上げ前日及び当日の天候悪化が予想される」とのこと。

 25日夜に行われる機体移動の時間帯に天候が回復しないから延期になったのだろう との分析がTLにあった。26日昼打ち上げの場合、25日夜の天候が悪いと機体移動に支障が出るようだ。
 島に渡ったその日に打ち上げ延期の報せを受けてしまった…

 幸い、27日まで島にいる予定だったので大きな計画変更はないが、既に27日11:05の高速船で帰る予約を入れていたため、窓口に電話して予約の変更を行った。27日の16:45の便で帰ることにした。レンタカーも同様に延長の連絡を入れた。
 打ち上げを見に来た人の中には26日に島を離れる人もいるだろう。打ち上げに延期はつきものとはいえ、実際に体験すると複雑な気持ちになってしまいます…

 再再延期にはなってくれるなよと願いつつ再び走行。恵美之江展望公園まであと1kmちょっとのところで、木々に囲まれた一本道に入る。噂どおり、車のすれ違いが困難な曲がりくねった道だ。その道を抜けるとようやく、展望公園にたどり着いた。

 あれは!

 種子島宇宙センターだ!!


 うおおおおお! 巨大なVAB(大型ロケット組立棟)と赤白の鉄塔(気象観測/避雷鉄塔)が見える!!あの鉄塔の真ん中にロケットが配置されるんだよね。左がH-IIAで右がH-IIBの発射台で…
 写真や動画で見たことのある、宇宙センターを象徴する建造物がすぐそこに見えて、とても幸せに感じました。これはいいものだ。

 この光景を見れただけでも、島に来てよかったと思いました。(個人の感想)

 公園には東屋や公衆トイレがあり、十分に整備されている様子。公園までの道も今後改修されるといいな。
 展望公園の様子。打ち上げ日には芝生の一部が仮設の駐車場になる。

 写真撮影用カメラスタンド。ここにカメラやスマホを置いて記念撮影ができる。宇宙センターは南の方角だ。

 この日はこのあと「長谷(はせ)展望公園」にも行き、駐車場や見学場の規模を確かめた。芝生の向こうにさらに芝生がありその向こうにも芝生があった。めちゃくちゃ広い。その日はそこで日没を迎えた。19時ごろだった。

 ゆっくり車中泊の準備をした後、島内の入浴施設に行くため場所と営業時間を調べる。何件かは既に営業終了間際だったので22時近くまで開いている大和温泉ホテルに行って汗を流した。この時、タオルと一緒に石鹸を持っていくのを忘れてしまったが、奇跡的に使いかけの石鹸がカランの近くにあったのでなんとか身体を洗うことができた。受付でも購入できるが節約したい人は石鹸を持っていくと良いだろう。


 夜は南種子町(みなみたねちょう)の公園で車中泊。持ってきた衣類で座席の隙間を埋め、なるべく平らにしてから寝袋を広げる。足元にカイロ、腰にもカイロを貼り、コートを着て寝袋に潜る。足の上にバスタオルをかけるとあったかい。
 明日は宇宙センターの宇宙科学技術館に行ってみよう。


3日目(2月25日)天候:雨



 朝からが降り続くうえに風も強い。宇宙科学技術館の開館時間(9:30)に合わせて出発。街のあちこちにロケットの形の看板を見かける。宇宙の街って感じだ。(西之表港にあったロケット風看板もそうだけど、元々H-IIロケットを模したと思われる看板を色だけH-IIAに塗り替えたものがチラホラ)

 宇宙科学技術館入場無料。昨年(2017年)春にリニューアルされたということで、H3ロケットに関する展示があったり、看板に最近の衛星が載っていたりしていました。人工衛星の旬な話題をお届けするコーナーでは2か月前に打ち上げられた「しきさい」「つばめ」の紹介、そして「しきさい」の初取得画像がありました。

 展示物を見学している途中ですが、ここで11:00からの施設案内ツアーに参加。昨日港についてすぐ案内ツアー予約の電話をして、25日の11時に一つだけ空席があったのでそこに滑り込みました。

ファン!ファン!JAXA!:種子島宇宙センター 施設案内ツアー

 見学場所はロケットの丘展望台、H-IIロケット7号機が置かれているロケットガレージ(大崎第一事務所)内部と総合指令棟(外観のみ)。今回はH-IIAロケット38号機の打ち上げ準備中なので、見学場所が変更されているとのこと。

 ロケットガレージ内部。H-IIロケット7号機の機体のほか、ロケットの部品の実物が展示されている。写真の向こうに一段目の巨大な燃料タンクがある。

 なぜここに本物のロケットが打ち上げられずに仕舞われているかは…ツアーに参加して解説を聞いてくださいね。(ネットでも調べれば出てきます。一応)ちなみに解説では触れられなかったハナシですが、このロケットは後に「つばさ」「こだま」命名される衛星「MDS-1」・「DRTS(-W)」を打ち上げる予定でした。

アーカイブこれからの打ち上げ一覧

 ツアー終了後、宇宙科学技術館に戻ってからまた施設内を見学。1時間ちょっとじゃとても見きれない!フロンティアエリアには太陽系探査のコーナーもあった。現役探査機(含む太陽観測衛星)のプレートが貼って合って良いですね!筑波とも相模原とも違う展示に心が躍ります。

 土星にいるのはカッシーニ?!燃え尽きたんじゃ…?!

 ステレオマーズ・エクスプレスもいた(^▽^)

 宇宙科学技術館はほかにもロケット関係の展示が充実していた。LE-7やLE-5など。衛星は「だいち」の熱構造モデルと「きく2号」?が展示してあった。

 展示を堪能した後はミュージアムショップに突撃!

 あったあった!H-IIA38号機のグッズ!! 刺繍キーホルダーと写真右上のTシャツ、この他に打ち上げ記念ピンバッヂがありました。H-IIA202のイラストだけではなく、ちゃ~んとF38の文字が刻まれているッ…!もちろん全購入。自分が見に来たロケットのグッズだから値段なんてちっとも気にしなかった!

 ショップを出て施設のアンケートを記入していると、机に寄せ書きノートが置いてありました。中をパラパラとめくってみると来館者のメッセージがたくさ…?!これは打ち上げを見に行ったフォロワーさんのメッセージではないか…?!
 自分もメッセージを書き残し、宇宙科学技術館を後にする。15時くらいまで滞在しました。さてと…展示を見るのに夢中になってお昼を食べるのをすっかり忘れてしまった。こんな時間にやってるラーメン屋などあるはずもなく、南種子町ファミマで休憩。ついでにAコープ「ヨーグルッペ」を購入。

 Twitterでたびたび見かける謎の飲料だったがついに会えた。とても美味しかった。値段も安く、手軽に買って飲めるのでオススメです。お土産に5つくらい買えばよかった…

 Aコープのあとは「宇宙が丘公園」にも行ってみた。見晴らしのよい場所だけど射点(発射台)は山の向こうに見える感じ。天気が悪くて良く見えない…


 その日の夜は河内温泉センターで入浴。地元のお年寄りのほかに打ち上げを見に来たと思われる若い人が多くいた気がする。備え付けの石鹸やシャンプーはないので持参するか受付で買いましょう。休憩スペースが広くてゆっくりできる場所でした。

 今日も今日とて車中泊。明日(26日)は晴れの予報だから、屋外を中心に見て回りたい。そして夜は機体移動見学だ!

 次回、機体移動&打ち上げ



  打ち上げ見学旅行記(3)へ続く