前回はコチラ
新潟在住の宇宙機ファンがH3ロケット試験機2号機の打ち上げを見に行ったお話。
前回はH3ロケット試験機2号機(H3TF2)の見学旅行に行くまでの背景をまとめました。
今回は種子島への往路と、上陸1・2日目のまとめです。それではどうぞ。
種子島へ行こう 打ち上げ3日前(2024年2月14日)
羽田空港、朝7時。
夜行バスから降り、空港カウンターで搭乗手続きを済ませる。今回はスカイマークを初めて使う。チケットにピカチュウの絵柄があるけど、コラボでもしているのかな?
搭乗待合室から搭乗機を撮る。今回の翼はB737だ。
鹿児島行きの翼、スカイマークのB737(JA73NT)と富士山
尾翼の向こうにはなんと…富士山が見える!/(^o^)\フッジサーン
これは嬉しい!澄んだ冬の空気に感謝だ。さらには右手から見慣れぬ黄色い飛行機が現れて…
ピカチュウジェット(BC1・JA73AB)
あれは…なんとスカイマークのピカチュウジェットではないか!本当にコラボしていたとは!黄色と青のコントラストが最高に美しい。新幹線ファンにとって黄色は幸運の色。なんとも心明るくなる出会いでした。
午前8時50分、私を載せた無印のスカイマーク機は羽田D滑走路より離陸。D滑走路は埋立地と桟橋を組み合わせた世界でも珍しい滑走路。リフトオフ間際、窓の外に疾走するジェットフォイルの姿が見えた。
羽田空港→鹿児島空港のフライト時間は125分。冬の昼間、かつ快晴に恵まれたため、眼下に見える富士山をたっぷり堪能できた。席は右の窓側がオススメだ。
雪を纏う富岳
鹿児島空港に到着。種子島行きの飛行機便まで4時間あったので、ラーメンを食べたり航空展示室「SORA STAGE」を見たりして時間をつぶす。展示館には有料のフライトシミュレーターが2種類あった。展示もどれもとても見ごたえがあったので、今度また来たいものだ。
展示見学は無料。夢中になって飛行機に乗り遅れないようにしたい。
展示室を堪能した後は種子島行きの飛行機に搭乗。機内から種子島の宿不足の諸悪の根源 基地化工事の進む馬毛島を撮影。
この光景がどう変わるか、密かな楽しみだ。
35分の短いフライトを経て翼は種子島空港に到着。Twitter(現X)のフォロワーIさんと合流し、空港カウンターにてレンタカーを受領。レンタカーは4日間(2/14-18)で24,200円だ。
空港到着時は夕方だったので、寄り道せず西之表市の民宿へ。民宿のお母様に挨拶してお茶請けをいただいていると、宿のもう一人の宿泊客がやってきた。彼も打ち上げを見に我々と同じく関東甲信越からやってきたのだそう。ただ彼は仕事の関係で明日で帰るという。残念…。
打ち上げを見に遠くからやってきた若い男3人。せっかくなので3人で飲みに行った。
「魚匠 一条」にて1人2500円のおまかせコース。
思えば種子島4回目にして初めて海産物をいただいた。お刺身の味がすごく濃くてびっくり。どの料理も大変美味でした。
お会計時に猫の募金箱に小銭を入れる。そのおかげか、帰り際に猫ちゃんがお見送りしてくれました。
猫ちゃん。
暇をつぶそう 打ち上げ2日前(2024年2月15日)
2月15日は当初の打ち上げ予定日。打ち上げが延期になったので種子島宇宙センターへ行ってみることにした。Iさんをレンタカーに載せ、種子島を北から南へ縦断。
宇宙センターへの道中には「H3 成功祈願」ののぼりが掲げられていた。おや、H3用ののぼりがあるんだね!?
←H3成功祈願ののぼり(H3TF2) 打ち上げ成功祈願ののぼり(H-IIAF48)→
H-IIAF48とは異なるシンプルながら洗練されたデザインだ。
ちなみにH3TF"1"の打ち上げを見に行ったフォロワーさんによると、TF1ののぼりは今回とはまた違ったデザインだったことがわかる。 どのデザインも成功祈願の想いが伝わってきて素敵です。
こちらこそフォローありがとうございます、あの頃は狂乱の時代だったかとw メンドクサイ車にお金を取られている最近なのですが、去年のH3TF1のリベンジで今年は島に行きたいなと考えておりますw pic.twitter.com/iVAUS9ufO2
— 霧島 (@kirishima_ns) 2024年2月24日
西之表から車を走らせ50分。宇宙センターに到着!しかし駐車場が満杯だったので、竹崎展望所方面にある別の駐車場へ行く。
修学旅行生の記念撮影
センター内の実物大H-IIロケットの前で記念撮影をしている学生さんがいた。本来であれば打ち上げを見られたのだろうな…
気を取り直して1か月前にほとんど見て回れなかった「宇宙科学技術館」へ。
受付でSLIMの栞を頂いた。あらかわいい!H-IIAロケットの模型と記念撮影。
小型月着陸実証機SLIMの栞。
SLIMは1月20日に「SHIOLIクレーター」の近くに着陸した。
前回来た時はSLIMは着陸前だった。
宇宙科学技術館でじっくり見たかった展示の1つに、「人工衛星インフォボード」がある。この展示はスタッフによって随時更新されており、人工衛星の「旬な話題」を見ることができる。
ちなみに6年前(2018年2月)↓は前年12月に打ち上げられたばかりの衛星「しきさい(GCOM-C)」と「つばめ(SLATS)」の情報が載っていた。
2018年2月のインフォボード
あれから6年。人工衛星インフォボードにはぎっしりと衛星の情報が!
2024年2月の人工衛星インフォボード。
おおお!「HTV-X」、「技術試験衛星9号機」に「だいち4号」、「みちびきシリーズ」。これらはH3ロケットで打ち上げ予定の衛星たちだ。
この衛星たちが予定通り宇宙へ行けるかどうかは、H3TF2の打ち上げにかかっている。
お昼はせっかくなので宇宙センターの食堂「宙飯屋」へ。平日なので食堂が開いているのだ。
食堂案内とH3TF2のポスター
打ち上げ日がちゃんと「2月17日」になっている
海とロケットカレー
青い作業服を着たJAXAやMHIの職員に混じって私も注文。ここは一般のお客さんも注文できる。食堂の名物?らしい「ロケットカレー」を食べた。ピリ辛で美味しかった。
午後も引き続き宇宙科学技術館を見学。
前回来た時には無かった小型月着陸実証機「SLIM」の展示を発見!!SLIMは3週間前に月面軟着陸したばかり。仕事が早い!
右上には小型プローブのLEV-2(SORA-Q)が撮った写真も!
LEV-2が撮ったSLIMの写真ホント好き。
月球儀の軟着陸の展示にもSLIM。
インフォボードやSLIMの展示からもわかるように、ここは不定期に内容が更新される展示施設。前回来た時とは違った展示が楽しめるなんて素晴らしい。今後はGOSAT-GWの観測結果とか、探査ミッション紹介コーナーにMMX探査機の撮影画像が展示されるのだろう。楽しみだ。
それと、メッセージボードにH-IIA48号機打ち上げ成功のメッセージを書いた。
祝福のメッセージ
宇宙科学技術館の後はセンター内にある「ロケットの丘」へ。
ロケットの丘からの眺め
・・・
心が静まり返る。
VABと射点を眺めて、やっと「ああ、私は種子島に来たんだな」と実感した。
白いVAB、そびえる赤と白の鉄塔・・・
私にとっての「種子島」はさとうきび畑やエメラルドグリーンの海ではなく、この景色なのだ。
私は再び、この島でロケットの打ち上げを撮ろうとしている。浮ついていた心がシュッと引き締まった。
この日の夜は中種子町のラーメン屋「翔」で横浜家系ラーメンを堪能。メチャ旨でした。
翌日(2/16)は打ち上げ前日。機体移動が行われる。さあ、H3を記録しよう。
次回、機体移動編。