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日本の人工衛星重量ランキングベスト15【ISAS編】 補足記事


あけましておめでとうございます。(2017/1/2) やまごんと申します。

この記事は↓この動画の補足記事となります。


では・・・

 この重量ランキング【ISAS編】は、タイトル通り宇宙研ISAS)に所属する人工衛星と探査機の重量をランキングにしたものです。
 前作のランキング動画↓は、日本の政府系機関の衛星・探査機のランキングでしたが、宇宙研に所属する衛星が一機もなく、(一応かぐやはNASDAとの共同)実験・実用衛星ばかりだったので、今回は宇宙研に的を絞った動画を作りました。

年末にかけて作ってたのですが、またもコミケで製作途中のまま年越ししてしまった・・・

では動画の補足を。


タイトル画像


        ▲M-V5号機の打ち上げ(2003/5/9) (C)JAXA

 タイトル画像は、前作がH2Aロケットだったので、今作はM-Vロケットをチョイス。MUSES-Cこと はやぶさ を打ち上げた5号機です。背景の海とのコントラストが最高ですね・・・ イプシロンには見られない斜め打ち上げもグッときますね


ランクインできなかった衛星たち


(16位?)ひさき:335kg
 廃止になったM-Vロケットですが、一段モーターをSRB-Aと共通化させてコストダウンを図った新型ロケットイプシロンが開発され、その初号機に搭載されたのが「ひさき」。
 初号機に実験衛星じゃない科学衛星が載るのってM-4S以来かな

(17位?)IKAROS:310kg
 あかつきと一緒に惑星間軌道に打ち上げられたソーラーセイル実証機。
 計画開始から打ち上げまで2年半という短期間で完成。ソーラーセイルは昔からWGによる研究や実験が行われていたとはいえ・・・

 開発が間に合わない場合、ダミーペイロードとして未完成のまま強制的に打ち上げられる予定だったそうな↓(ISASニュースNo.420別冊)
http://www.isas.jaxa.jp/outreach/isas_news/files/isas_news_420_ex.pdf


(18位?)あけぼの:295kg

26年もの間地球磁気圏を観測し続けた衛星。 あけぼのの成果と経験はあらせへと引き継がれています。


15位~11位


15位:あらせ(ERG)350kg

 ギリギリランクインしたのは、なんとつい2週間前に打ち上げられた新米衛星、ERG・・・もとい、「あらせ」
 耐放射線設計なので、2年といわず10年は運用できるんじゃないかな

14位:ようこう(SOLAR-A)390kg

 宇宙研のホームページだと「約390kg」でも昔のホームページだと「420kg

↑最近リニューアル()した宇宙研のホームページ


↑昔の宇宙研のホームページ

そのせいか、ようこうの重さはいろんな文献で390kgと420kgがごっちゃになってます。。

13位:あすか(ASTRO-D)417kg

 最初、あすかの重量はぎんがと同じ420kgでランキング作ってたので、最初は12位でした。
調べてみるとあすかの重さは"約"420kgで、正確には417kgだとわかり、13位になりました。

12位:ぎんが(ASTRO-C)420kg

 打ち上げ後一か月もみたずに超新星が表れるという大事件に遭遇。
初期チェックや観測時間の間を縫って超新星を見つめ、X線をキャッチ。継続的にX線天文衛星を打ち上げたことが功を奏しました。


11位:あかつき(PLANET-C)500kg

 重さはISASホームページの値を採用。 なんか違和感が・・・518kgっていう情報もあるしよくわからないですね


 本当に500kgなのだろうか・・・? ニュートン別冊の記載だと500kgでした
 
 M-Vで打ち上げる計画だったのでこの重さに。M-Vで打ち上げた場合は地球スイングバイで金星に向かう予定でしたが、IKAROSや小型副衛星と一緒にH2Aロケットで打ち上げ。
その後の顛末は皆さんご存知の通りです。

 いつかゆっくり探査機解説で紹介したいです



10位~6位




10位:はやぶさMUSES-C)510kg
 はやぶさを工学実験衛星と呼んだ人は宇宙クラスタ狩りに遭ってしまうとかかんとか
 はやぶさは関連書籍が豊富なので、動画では重さについて言及。
 130kgという少量の燃料で小惑星往復という大任を果たしました。
(復路では化学燃料ゼロだったからすごい)

9位:のぞみ(PLANET-B)540kg

 化学推進なので重量の半分が燃料です。火星に到達するために、厳しい重量制限を乗り越えて宇宙に旅立ちましたが、トラブルが続き、火星周回軌道には入れませんでした。


8位:はやぶさ2(Hayabusa2)609kg
 11位~8位がまさか全部探査機になっているとは、予想外でした。はやぶさ2の本番はこれからなので、動画をいくつか載せました。
 MASCOTの動画はあったけど、ミネルバ2の動画は見つからず。
(MASCOTの投下シーンが窓からPCを投げ捨てるAAに似てるようです)



7位:EXPRESS 770kg
 英語の衛星って本当に知名度ないですよね・・・TRMMとかGPMとか
 さてこのEXPRESSは770kgという重さで、M-3SⅡロケットでやっとこさ低軌道に運べる重さでした。

6位:はるか(MUSES-B)830kg
 現在単独の動画を製作中・・・・ はるか、美しい衛星です

 M-V初号機だったので、はるかのプロマネは自分がM-Vに乗っているような感覚だったそうな。


5位~1位


5位:ひので(SOLAR-B)900kg

 10周年おめでとう!

4位:あかり(ASTRO-F)952kg

 \アッカリ~ン/ わぁい赤外線天文衛星 あかり赤外線天文衛星大好き

 発される赤外線を高分解能で測定するというよりは、全天の赤外線地図を作成するのが主目的。小惑星の観測も行っています

3位:ジオテイル1010kg

意外と重量級。 打ち上げから20年以上経つ今も活躍中


2位:すざく(ASTRO-EⅡ)1700kg

 M-Vロケットで打ち上げたとは思えない重さ。 ふよう1号より重い
 従来では観測できなかったX線を検出し、ブラックホール超新星爆発の謎の解明に貢献した衛星です(現在は運用終了)

 
宇宙研のホームページだと「その他」の項目にいます なんでだろう


1位:ひとみ(ASTRO-H)2700kg
 予想可能回避不可能 本来ならば、今頃本格的な観測を行っているひとみの観測画像を見せたかった・・・

 最後に暗く終わるのもあれなので、代替機のプロジェクトはスタートしてるってことを伝えたい。



終わりに

 補足記事のとおり、重量のデータは文献によって差がありますので、およその重さとしてとらえてくださいね。

 そういえば2019年度に打ちあがるSLIMの重さは590kgくらいだとか
 これから打ち上がる宇宙機の重量も気にしていきたいです。


やまごん